中国のディスプレイ会社がSamsungの技術を盗んだとしてアメリカから追放される

Samsung子会社のSamsung Displayが競合相手である中国のBOEを相手取って起こした訴訟で、アメリカ国際貿易委員会(ITC)がBOEに対して「長期にわたるアメリカへの製品輸入禁止」という厳しい処分を下しました。
14년 8개월간 미국서 中 OLED 퇴출...삼디 기술 탈취 미국서 제동
https://www.chosun.com/economy/tech_it/2025/08/14/ET4JCUXNG5GARGITWRK5BYH5DU/
Chinese Display Company Faces US Ban For Stealing Samsung Tech - SammyGuru
https://sammyguru.com/chinese-display-company-faces-us-ban-for-stealing-samsung-tech/
2023年10月、Samsung DisplayはOLED技術に関する自社の営業秘密をBOEが不正に盗用したとして訴えを起こしました。
Samsung Displayは1997年からOLEDの研究開発に数億ドルを投資して技術を蓄積してきましたが、BOEはSamsung Displayより16年遅れて市場に参入したにもかかわらず、独自の研究開発を行ったそぶりを一切見せることなく短期間で大規模な製品の量産を始めました。この点を不審に思ったSamsung Displayが調査した結果、BOEがSamsung Displayの従業員や元従業員を採用し、Samsung Displayと取引のあったサプライヤーと接触するなど、営業秘密を不正に取得した疑いがあることが分かったそうです。

この件でITCはSamsung Displayの主張を認め、BOEを含む子会社7社など計8社がSamsung Displayの営業秘密を不正に利用するなどし、(PDFファイル)関税法337条に違反したとする予備判決を下しました。最終判決は2025年11月に下される予定です。
ITCは「Samsung Displayのセキュリティ対策が卓越した水準であったにもかかわらず、BOEは営業秘密を不正な手段で取得し使用した」と指摘し、「Samsung Displayに実質的な損害と深刻な脅威をもたらした」と述べました。
ITCはBOEに対し、アメリカへの製品輸入を14年8カ月間にわたり限定的に禁止する命令を下しました。この期間は通常、不公正な行為で得た利益を排除するのに必要な時間を基準に算定されますが、今回はSamsung Displayの中核OLED技術の開発期間を基準に算定されています。それだけOLED技術の開発が難しく、時間がかかるという意味です。
また、ITCは中国のBOE本社やアメリカ現地法人等に対し、アメリカ国内でマーケティングや販売などを実施しないよう命じています。加えて、最終判決後の検討期間中に保証金の一部を預け入れて条件付き輸入を可能にするという措置が執られる際に、保証金を100%に引き上げて輸入負担を増加させる「保証金100%」の措置も判決文に含まれました。

業界関係者は「営業を行うにはサンプル製品が必要だが、輸入が不可能になったため難しい」「潜在的な顧客がBOEと取引するのに負担を感じるようになるだろう」と指摘したとのことです。
朝鮮日報によると、2025年第2四半期のiPhone用小型OLEDパネルのシェアのうちBOEは22.7%で、LGディスプレイ(21.3%)を上回っていたとのこと。これまでAppleはSamsung Displayを主力、LGディスプレイを補助サプライヤーとして活用してきましたが、ここにBOEが加わることでSamsung Displayのシェアを侵食する見込みでした。ところが、ITCの最終判決が確定し、今後BOEのディスプレイがiPhoneに搭載されなくなれば、Samsung DisplayやLGディスプレイといった韓国企業は恩恵を受ける見込みです。
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in Posted by log1p_kr
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