MetaはAIを活用した広告作成の完全自動化を目指している

Metaが2026年末までにAIを使って広告作成を完全に自動化することを目指していると、アメリカ経済紙のWall Street Journalが報じました。Metaはすでに広告事業にAIを導入していますが、この試みが成功すれば広告事業のタスクほぼすべてをAIに委ねることができるようになります。
Exclusive | Meta Aims to Use AI to Fully Automate Ad Creation - WSJ
https://www.wsj.com/tech/ai/meta-aims-to-fully-automate-ad-creation-using-ai-7d82e249
広告事業へのAI導入は、Metaのマーク・ザッカーバーグCEOが以前から掲げていたビジョンの1つです。広告事業はMetaの事業の大部分を占めており、2024年には総収益の97%が広告関連だったとのこと。AIチップやデータセンター、そして最先端のAIモデルのトレーニングへの数十億ドル規模の投資は、広告事業による収益が原資となっています。

by Tim Reckmann
Metaが開発中の広告ツールを使えば、広告主は宣伝したい商品の画像と予算目標を提示するだけで、AIが画像・動画・テキストを含む広告全体を作成します。その後、システムはFacebookとInstagramのどのユーザーをターゲットにするかを決定して予算に関する提案も行うと、Wall Street Journalは関係者からの証言として伝えました。
また、MetaはAIを活用して広告主が広告をパーソナライズできるようにすることも計画しているとのこと。これにより、ユーザーは位置情報などの要素に基づいて、同じ広告の異なるバージョンをリアルタイムで目にすることができるようになります。例えば、車の広告を雪の多い地域に住むユーザーに出す場合は「車が山を登っているイメージ」を、都市部に住むユーザーには「車が街の通りを走っているイメージ」を出すことが可能になります。
AIの導入によって、企業は多額の費用をかけたり制作スタッフを雇ったりすることなく、写真や動画を使った本格的な広告を作成できるようになります。AIを使って広告をゼロから生成することは、広告作成に大きな予算がないことが多い中小企業にとって恩恵となる可能性があるとWall Street Journalは指摘しています。

ただし、広告活動のさらなる制御権を業界で影響力を持つMetaへ与えることに、一部の大手ブランドは慎重な姿勢を見せているとのこと。また、AIが生成した広告キャンペーンは人間が作成するような外観や雰囲気にならないのではないかという懸念があるほか、AIの生成物はゆがんだり使いものにならなかったりすることが多く、品質向上には結局時間とリソースを大量に費やす可能性もあります。
ザッカーバーグCEOはMetaの年次株主総会で「そう遠くない将来、あらゆる企業が、例えば商品の販売や新規顧客の獲得といった目標と、それぞれの成果に対していくら支払えるかを私たちに伝え、銀行口座を連携させるだけで、あとは私たちがすべてやってくれるような世界を実現したいと考えています」と語りました。
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in ネットサービス, Posted by log1i_yk
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