メモ

本当に言いたいことを褒め言葉で挟む「褒め言葉サンドイッチ」はもはや効果的ではない


昔から、ビジネスマンの間では「褒め言葉、ミスの指摘、褒め言葉」という順番で部下に意見を伝える「褒め言葉サンドイッチ」が人気の手法として使われているそうです。ところが、この手法はもはや時代遅れであることが近年の研究で明らかになっています。

Time to end the 'compliment sandwich' - Western News
https://news.westernu.ca/2025/08/compliment-sandwich-not-effective/


1980年代に普及した褒め言葉サンドイッチは、否定的な意見を2つの肯定的な意見で挟むという手法で、しばしば上司と部下双方の不快感を和らげる目的で使われていました。例えば以下のようなものです。

肯定的な意見:「会議での君の意見はとても貴重だったよ」
否定的な意見:「そういえば最近遅刻や早退が目立つね。成果物にも影響が出ているよ」
肯定的な意見:「でも直近の報告書は素晴らしかった」


否定的な意見はしばしば無関係な褒め言葉で挟まれることもありますが、それでも「厳しい意見だけを伝えるよりはマシ」として、多くの管理職がこの手法にトライしてきたそうです。

ところが、アイビー・ビジネススクールの組織行動学教授であるカレン・マクミラン氏によれば、この手法はすでに時代遅れだといいます。


マクミラン氏によると、褒め言葉サンドイッチを何度も経験した従業員のほとんどは「今の褒め言葉は単なる緩衝材に過ぎず、次に来る言葉は否定的なものではないか」と警戒心を抱いてしまうとのこと。このため、肯定的な意見から続けて否定的な意見が来ることに反感を覚えるようになるそうです。

代わりに有効的な手法は「誠実で率直なコミュニケーション」だそうで、マクミラン氏は「親切心を持って率直に伝えられる意見こそ、利益をもたらすのです」と伝えています。


マクミラン氏によると、以下のような手法が役に立つとのこと。

◆1:計画から始める
指導が失敗するのは「準備不足」が原因であることがほとんどで、「なぜこの指導をするのか?目的は何か?正しい理由でやっているか?」「指導の裏付けとなる具体的な事例はあるか?」「従業員の行動が実際に与えている影響を指摘できるか?」「最初にどう切り出せばいいのか?」というように、指導をするときにやるべきことをあらかじめ決めておくのが大切だそうです。マクミラン氏は「最初の言葉が会話の成否を分けます。間違った始め方をすると、相手は防衛的になり、あなたの言うことを何も聞かなくなります」と指摘しました。

◆2:対話形式を心がける
上司が一方的に話しているとき、部下は納得していない可能性があります。一方的な話し合いは避け、上司は「現状についてどう思う?」とか、「私の見解は君の認識と同じ?」と尋ねるなどして、部下が上司の視点を理解できるよう努めるのが大切だそうです。

◆3:人間としての関心を示す
指導を「相手が重視する事柄」と結びつけ、味方であることをアピールするのが重要とのこと。例えば「昇進を希望しているのは知っているけど、その障壁になるかもしれない点がある。知りたい?」といった問いかけが紹介されています。

◆4:合意で締めくくる
会話は明確な結論で終えるべきで、「今後の計画は?」「来週、再確認しよう」といったシンプルな一言でも有効だそうです。

◆5:指導を過程と捉える
指導は1回で終わることはほとんどなく、指導とやり直しの繰り返しで従業員は成長するもの。マクミラン氏は「真の指導は、時間をかけてフォローアップと強化を繰り返し、信頼を積み重ねることで実現します」と述べました。

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in Posted by log1p_kr

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