ハードウェア

電子ペーパーディスプレイが液晶ディスプレイの領域に到達、Modosが75Hzのリフレッシュレートを備えたオープンソースの電子ペーパーを発表


Amazon Kindle」などに代表される電子ペーパーで、75Hzの高リフレッシュレートが実現したと伝えられました。オープンソースで開発キットが公開されています。

Modos Paper Monitor | Crowd Supply
https://www.crowdsupply.com/modos-tech/modos-paper-monitor

E-Paper Display Refresh Rate Reaches New Heights - IEEE Spectrum
https://spectrum.ieee.org/e-paper-display-modos

電子ペーパーディスプレイはバックライトを使用するLCDや直接発光するOLEDとは異なり、外部からの光を反射することで表示内容を調整します。内部に顔料の粒子を内包し、粒子に電圧をかけてディスプレイの表面へ浮かび上がらせることでさまざまな色を表現するという仕組みなどが採用されており、「発光しないので目に優しい」「電力消費量が少ない」などの利点から、読書専用端末などで多く取り入れられています。


一方で、「白黒からフルカラーに移行するまで20年以上かかった」と言われるほどに細かな色の調整が苦手で、解像度が低いこと、リフレッシュレートが低くほとんどの製品が約10Hz以下しかないなど、その特性上の欠点もいくつか存在します。

新たに、Modosというスタートアップがオープンハードウェアの電子ペーパーディスプレイとその開発キットを公開し、欠点の一つであるリフレッシュレートを大幅に改善したと伝えられました。

実際に動作する様子が以下。モノトーンで描かれる謎解きゲーム「Return of the Obra Dinn」が電子ペーパーディスプレイでプレイされています。電子ペーパーとは思えないほど滑らかな動きです。

Return of the Obra Dinn on 75 Hz E Ink Monitor - YouTube


Blanc」というアドベンチャーゲームをプレイする様子も公開されています。映像は最大16階調のグレースケールで表現されます。


Modosの電子ペーパーディスプレイ開発キット「Modos Paper Dev Kit」は、従来の電子ペーパー制御で採用されていた「静止状態と更新状態の2状態のみ」というピクセル単位管理方式から脱却し、各ピクセルを独立して管理するのが特徴です。コンピューターからの信号を受けてすぐにピクセルの状態が更新されることで、高フレームレートと優れたコントラストを備えた映像を表現できると説明されています。


Modosの電子ペーパーディスプレイ「Modos Paper Monitor」で75Hzのリフレッシュレートを実現しますが、開発キットさえあれば別のパネルを使用しても75Hzを実現するとのこと。開発キットには4.3インチから13インチまでの数十種類の電子ペーパーディスプレイに対応したアダプターが備え付けられているため、旧型のAmazon Kindleなどのディスプレイを再利用することもできるそうです。


Modosの開発キットはオープンソースソフトウェアを用いて構築されたオープンハードウェアであり、すべての設計ファイルとソースコードはGitHubで公開されています。

Modosはクラウドファンディングを実施して開発を続けており、6インチの開発キットを199ドル(約2万9000円)で、13インチの開発キットを599ドル(約8万8000円)で予約販売しています。

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in ハードウェア, Posted by log1p_kr

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