サイエンス

まだ筋肉痛が残っている状態でも運動していいのか?


ランニングやジムでのトレーニング、スポーツなどをしてから数時間後~数日後に、激しく動かした部位が筋肉痛になることがあります。通常、筋肉痛は3日~5日ほどで完全になくなりますが、果たして筋肉痛がある時でも運動していいのかどうかについて、南オーストラリア大学で運動科学の講師を務めるハンター・ベネット氏が解説しました。

Should I exercise if I’m still sore from last time?
https://theconversation.com/should-i-exercise-if-im-still-sore-from-last-time-263046


そもそも筋肉痛が起きるのは、運動をすると筋肉に小さな裂傷が生じ、体がその部分を修復するために水分と栄養素を大量に供給する際に炎症が起きるからです。これは体の正常な回復過程の一部であり、結果的に筋力と筋肉量の増加を促進します。

しかし、炎症は痛みの受容体を刺激するため、運動から数日間は痛みを感じることになります。筋肉痛の程度は行う運動の種類や量によって異なり、しばらく運動していない時や新しい種類の運動をした時、または筋肉に多大な負荷をかけるウェイトトレーニングやランニングなどをした時に起こりやすくなります。一方、同じ種類の運動を頻繁に行うほど、筋肉痛を感じる可能性は低くなるとベネット氏は解説しています。


筋肉痛になるのは特に運動初心者では自然なことですが、必ずしも「筋肉痛が出たから運動に効果があった」というわけではないとのこと。筋肉痛が示しているのは、あくまで体が新しいタイプの運動や急激な負荷の増加に対応しているということだけです。

そのため、継続的に運動して徐々に頻度や負荷を増やしてきた場合、確かに体力や筋力は次第に増強されているにもかかわらず、あまり筋肉痛が出ないこともあります。たとえば、定期的にランニングをしている人は1回のランニングで筋肉痛を覚える可能性は低いものの、それでも体力は向上します。同様に定期的なウェイトトレーニングを行っている人は、普段より重いウェイトを使ってもせいぜい軽度の筋肉痛になるくらいですが、それでも筋力や筋肉量は増強しているとベネット氏は述べました。


そして、筋肉痛がその後の運動に及ぼす影響についてですが、ベネット氏は「あなたがケガを心配するか、それともパフォーマンスを心配するのかによって異なります」と主張しています。

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in サイエンス,   無料メンバー, Posted by log1h_ik

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