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決済大手のStripeがステーブルコインでの決済に特化したブロックチェーン「Tempo」を発表、手数料の安い支払い手段としてステーブルコインを利用できる未来を目指す


決済大手のStripeと仮想通貨関連投資企業のParadigmが新たなブロックチェーン「Tempo」を発表しました。Tempoはステーブルコインを用いた決済に焦点を当てて開発されており低コストかつ高速で信頼できる決済を提供するとアピールされています。

Tempo: The Blockchain Designed for Payments
https://tempo.xyz/

Introducing Tempo, the payments-first blockchain
https://tempo.xyz/launch-announcement

ステーブルコインは「1ドル=1ステーブルコイン」といったように法定通貨と同じ価値を保つように設計された仮想通貨で、決済手段や送金手段としての利用が広がりつつあります。日本でも日本円と連動するステーブルコイン「JPYC」を2025年秋に金融庁が承認する予定であることが報じられており、今後の利用拡大に注目が集まっています。

Stripeは2024年10月にステーブルコインプラットフォームのBridgeを買収しており、ステーブルコインの普及に力を注いでいます。しかし、Stripeのパトリック・コリソンCEOによると、既存のブロックチェーンは「ステーブルコインを用いた高スループットかつ低レイテンシな決済」に最適化されていないとのこと。例えば現実世界の決済では「決済手数料といて法定通貨が指定される」という部分に価値がありますが、ブロックチェーン上の取引では固有のトークンが手数料として求められます。これらの問題を解決するべく、StripeはParadigmと強力してステーブルコインでの決済に最適化したブロックチェーン「Tempo」を開発しました。


Tempoは世界規模でのリアルタイム決済を視野に開発されており、10万件以上のトランザクションを1秒未満で処理できるとのこと。また、取引手数料は非常に安価で、ステーブルコインを用いて手数料を支払えることも特徴としています。これらの特徴により、Tempoは「低コストでの国際送金」「通貨の種類を問わない国際的な支払い」「1セント未満のマイクロトランザクション」「預金のトークン化」といったサービスに活用できるそうです。

Tempoは独立した企業として運営され、StripeとParadigmが投資します。また、初期のパートナーとして「Anthropic」「Coupang」「Deutsche Bank」「DoorDash」「Lead Bank」「Mercury」「Nubank」「OpenAI」「Revolut」「Shopify」「Standard Chartered」「Visa」と協力していることも明かされています。


記事作成時点ではTempoの開発メンバーは15人で、Paradigmの創設者であるマット・ファン氏が率いています。Tempoは今後の開発に向けて新たなパートナーや開発メンバーを募っています。

Tempoの開発発表を受けて、ソーシャルニュースサイトのHacker Newsには「Stripeを用いた取引が銀行を介したものからTempoを介したものへ変化すれば、Stripeは多額の利益を得ることができる」という指摘や「仮想通貨は投機的なものというイメージがあったが、現時点では多くの企業がステーブルコインを活用するようになった。これは各企業がステーブルコインを従来の通貨よりも優れたものと認識していることを示している」という意見が寄せられています。

また、Steamやitch.ioで一部のゲームが販売停止になった際に「決済事業者の圧力」が原因であると報じられていたことを念頭に、「Stripeがステーブルコインを用いと、上位の決済事業者による制限を受けることがなくなる。これにより、Stripeがゲームプラットフォームの決済事業者として参入しやすくなる可能性がある」というコメントも投稿されています。

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in ネットサービス, Posted by log1o_hf

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