AnthropicがClaudeの有償プランに新たな使用制限を発表、Claude Codeを24時間365日使い続けるユーザーを抑制するためか

大規模言語モデルのClaudeを開発・提供しているAnthropicが、Claudeを利用できる有償プランであるClaude ProとClaude Maxの使用制限を厳しくしたことを発表しました。この仕様変更には、エージェント型コーディングツールのClaude Codeを24時間365日使い続けるユーザーを抑制する狙いがあるのではないかと指摘されています。

Anthropic unveils new rate limits to curb Claude Code power users | TechCrunch
https://techcrunch.com/2025/07/28/anthropic-unveils-new-rate-limits-to-curb-claude-code-power-users/

新しい使用制限の対象となるのは、月額20ドル(約3000円)のClaude Proプラン、月額100ドル(約1万4900円)もしくは月額200ドル(約3万円)のClaude Maxプランで、2025年8月28日から制限が適用されます。

Anthropicによれば、記事作成時点ですでに適用されている「5時間ごとにリセットされる使用制限」は引き続き適用され、これに加えて7日ごとにリセットされる2種類の使用制限も適用されるとのこと。新しい使用制限2種のうち、1つは全体に適用され、もう1つは記事作成時点で最新のAIモデルであるClaude Opus 4に適用されるようです。ただし、Claude Maxプランの加入者は、標準APIの使用料金を別途支払うことで制限を越えて使用できるようになるとAnthropicは説明しています。

AnthropicがClaudeの有償サブスクリプションプランの使用制限をひっそりと厳しくしていることは、すでにユーザーから報告されていました。

AnthropicがClaude Codeの使用制限をユーザーに通知なしで勝手に厳しくしたと騒ぎに - GIGAZINE

この問題は、Claude Maxプランであれば標準APIを用いるよりもはるかに割安でClaude Codeを使えることから、毎日24時間ノンストップでClaude Codeを利用するユーザーが増加したことが原因だとされており、実際にAnthropicのネットワークは何度もパンク状態におちいっています。ステータスページによれば、Anthropicは2025年6～7月に少なくとも7回の大規模な障害を経験しています。

Anthropicの広報担当者であるアミー・ロザラム氏は「Claude Codeはサービス開始以来、前例のない需要に直面しています」と語り、今回の使用制限の影響を受けるのは、加入者の5％未満であると述べています。具体的な使用制限の数値は発表されていませんが、ロザラム氏によれば、Claude Proプランのユーザーは、Claude Sonnet 4をClaude Codeを通じて1週間当たり40～80時間使用できるとのこと。

また、月額100ドルのClaude MaxユーザーはClaude Sonnet 4を140～280時間、Claude Opus 4であれば15～35時間使用でき、月額200ドルのClaude MaxユーザーはClaude Sonnet 4を240～480時間、Claude Opus 4であれば24～40時間使用できると述べています。ただし、もちろんコードベースの規模やその他の要因によって使用量は変動する可能性があります。

IT系ニュースサイトのTechCrunchは「Anthropicがどのように使用量を測定しているかはやや不明瞭」と述べ、Anthropicが2025年4月に「月額200ドルのClaude MaxプランがClaude Proプランの最大20倍の使用量を提供する」と発表したことに触れながら、「今回の制限が適用されれば、月額200ドルのClaude Maxユーザーが利用できるClaude Codeの時間は、Proプランの約6倍に過ぎません」と指摘しました。