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Netflixが人気オリジナル作品でコスト削減のために生成AIを使ったことを明かす


2025年4月に公開されたNetflixのオリジナルドラマシリーズ「エテルナウタ」では、あるシーンの制作に生成AIが活用されていることが明らかになりました。制作に生成AIが活用されたのは、Netflixオリジナル作品としては初です。

Netflix admits it used generative AI in a big sci-fi hit to cut costs | The Verge
https://www.theverge.com/news/709863/netflix-generative-ai-the-eternaut

現地時間の2025年7月17日、Netflixは2025年第2四半期決算(4~6月)を発表しました。これによると、Netflixの2025年第2四半期の総売上は前年同期比で16%増の110億8000万ドル(約1兆6500億円)です。


決算発表に合わせて、Netflixは2025年上半期(1~6月)の視聴者数データも公表しており、これによると同期間中にユーザーが視聴した動画の総再生時間は950億時間だそうです。

さらに、Netflixで2025年上半期に最も再生された作品(映画除く)トップ10も明かしています。最も再生されたのは「アドレセンス」(1億4500万回)で、2位が「イカゲーム2」(1億1700万回)、3位が「イカゲーム3」(7200万回)でした。YouTubeで人気の同名幼児学習チャンネルのNetflix版である「Ms. Rachel」は、7位にランクインしました。


さらに、2025年上半期の最も再生された映画トップ10は以下。最も人気だったのは「バック・イン・アクション」で、再生回数は1億6500万回です。


この決算説明会の中で、Netflixのテッド・サランデスCEOはエテルナウタの「アルゼンチンのブエノスアイレスで建物が崩壊するシーン」を、生成AIで制作したことを明かしました。これについて、サランデスCEOは「あのシーンは、従来のVFXツールとワークフローで完成させるよりも10倍速く完成しました。あの予算では、通常の手法では番組を制作することは到底不可能だったでしょう」「AIはクリエイターが映画やドラマシリーズをより安価に制作できるようになるだけでなく、より良いクオリティのものにするための素晴らしい機会を提供すると確信しています」と語っています。

なお、エテルナウタはエクトル・G・エステルエルド原作、フランシスコ・ソラーノ・ロペス作画による名作グラフィックノベル「The Eternaut」を映像化した作品で、Netflix版の予告編は以下から視聴できます。

『エテルナウタ』予告編 - Netflix - YouTube


ゲームクリエイターの小島秀夫氏もエテルナウタを視聴したそうで、X上で称賛していました。


ついに映像制作にもAIを活用し始めたNetflixですが、同社は2025年5月にモバイルアプリ向けにAIを活用した新しい検索機能を発表しています。これにより、ユーザーは「何か面白くて楽しいもの」や「ダンサーに関する物語」といった会話フレーズで番組や映画を検索できるようになりました。

Netflixが12年ぶりに新レイアウトを導入して「新たなNetflix体験」へ、アプリには垂直フィードやAI検索も - GIGAZINE


他にも、NetflixはAIを活用してプラットフォーム上の番組や映画に広告を挿入していくと発表しています。

Netflixは「生成AIを活用した広告」を広告つきスタンダードプランの配信中に表示する予定 - GIGAZINE

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in ソフトウェア,   ネットサービス,   動画,   映画, Posted by logu_ii

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