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AnthropicがClaude Codeの使用制限をユーザーに通知なしで勝手に厳しくしたと騒ぎに


ターミナルで動作するAnthropicの対話型AIコーディングツール「Claude Code」で、使用制限が事前の通知なく厳しくなっているという報告が上がっています。この問題は2025年7月14日(月)頃から起こっており、月額100ドル(約1万5000円)以上のサブスクリプションプランである「Claude Max」ユーザーに集中しているとのことです。

Claude Code API Usage Limit Unexpectedly Reduced on MAX Plan · Issue #3511 · anthropics/claude-code
https://github.com/anthropics/claude-code/issues/3511

Anthropic tightens usage limits for Claude Code – without telling users | TechCrunch
https://techcrunch.com/2025/07/17/anthropic-tightens-usage-limits-for-claude-code-without-telling-users/

問題の起こったユーザーには「Claudeの使用制限に達しました」という通知と、制限がリセットされる時間(通常は数時間以内)のみが伝えられ、詳細がわからないようになっているとのこと。そのため、ユーザーの間では「自分のアカウントが不当にダウングレードされたのではないか」「利用量が正しく追跡されていないのではないか」といった混乱が広がりました。


Claude CodeのGitHubページには、「使用制限の追跡方法が変更され、正確ではなくなりました。30分で数回リクエストしただけで、900件のメッセージに達するなんてことはあり得ません」というユーザーからの不満がイシューとしてポストされています。

AnthropicのサポートページではMaxプランの使用制限について、「会話が比較的短い場合、5倍の使用量のMaxプランでは5時間ごとに少なくとも225メッセージ、20倍の使用量のMaxプランでは5時間ごとに少なくとも900メッセージを送信できることが期待でき、メッセージの長さ、会話の長さ、Claudeの現在の容量によってはさらに多くのメッセージを送信できます」と記されています。また、セッション数は1カ月当たり50回までで、「50セッションは月に最大250時間の使用に相当し、残りセッション数が限られている場合は警告を表示します」とのこと。

IT系ニュースサイトのTechCrunchはAnthropicにコメントを要請しましたが、広報担当者は問題を認めたものの、それ以上の詳細は明らかにしませんでした。広報担当者は「Claude Codeの一部ユーザーが応答時間の遅延を経験していることを認識しており、現在これらの問題の解決に取り組んでいます」と回答しました。


TechCrunchによれば、この問題はAnthropicのネットワークで発生している問題と並行して起こっているとのこと。Anthropicのネットワークは100%の稼働率を維持しており、多くのAPIユーザーが同時期に過負荷によるエラーを報告。Anthropicのステータスページでは過去4日間で6件の個別の問題が発生していることが示されています。つまり、ClaudeやClaude Codeの利用がAnthropicの想定をはるかに上回り、サーバーの処理能力が追い付かなくなった可能性があります。

特に月額200ドルのMaxプランは、APIで個別に使用量を支払う場合に比べて非常に割安でした。ソーシャルニュースサイトのHacker Newsで、あるユーザーは「このプランで1日に1000ドル(約15万円)分以上のAPIコールを行うこともあった」と投稿しています。また、「月額200ドルの支払いで週に1000ドル分もAPIを使っていた同僚がいる」との報告もありました。

匿名を条件にTechCrunchの取材に応えたあるユーザーは、使用制限が強化されて以来、プロジェクトを進めることができなくなったと述べています。ユーザーは「GeminiとKimiも試してみましたが、今のところClaude Codeの機能セットに匹敵するものは他にありません」と語りました。


TechCrunchは、この混乱の原因の一部が段階的な制限を設定するAnthropicの料金体系にあると指摘しています。最も高額なMaxプランは月額200ドル(約3万円)で、利用制限は月額20ドル(約3000円)のProプランの20倍と定められています。そして、Proプランの利用制限は「無料プランの5倍」となっています。しかし、Anthropicは、無料ユーザーの制限については「需要によって変わる」としており、絶対値を設定していません。その結果、ユーザーはサービスがいつ制限されるのかがはっきり分からず、利用制限に合わせて計画を立てることができないとTechCrunchは論じています。

その後、Claude CodeのAnalyticsダッシュボードにアップデートが適用され、セッション制限からキャッシュ効率まで、Claude Codeの実際の使用状況について、より詳細な情報が得られるようになったと報告されていますが、厳しくなった使用制限についてはどのように変更されたのかは明らかとなっていません。


あるユーザーはGitHubのイシューで、「やれやれ、皆さん。どうやら『うまい話』は終わりみたいですよ。npx ccusageというコマンドで調べたところ、私たちみんな、1日に200ドル以上も使っていたことがバレてしまいました。Anthropic側もそれに気づいたんでしょう。おまけに、YouTuberたちが『このツールはどれだけ素晴らしいか』なんて動画をたくさん出したせいで、話が広まりすぎました。これじゃまるで、かつてのMoviePassと同じです。価格設定と実態が釣り合っていなければ、ユーザーがそれを最大限利用するのは当然のことです。Anthropicがこの変更を元に戻すとは到底思えません。これからは、自前でインフラに投資して、ファインチューニングしたオープンソースモデルを使うことを考えないといけなくなりそうですね」と語りました

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in ソフトウェア, Posted by log1i_yk

You can read the machine translated English article Anthropic is under fire for tightening r….