サイエンス

慢性的な腰痛を予防するには1日どれくらい歩けばいいのか?


腰痛は世界中の人々を苦しめており、腰痛対策のために整体に通ったり高価な椅子を購入したりする人もいますが、近年は腰痛を改善する方法として「散歩」が注目されています。ノルウェーで行われた新たな研究でも、腰痛対策としての散歩の重要性が浮き彫りになりました。

Volume and Intensity of Walking and Risk of Chronic Low Back Pain | Public Health | JAMA Network Open | JAMA Network
https://jamanetwork.com/journals/jamanetworkopen/fullarticle/2835297


Study Reveals How Long We Need to Walk to Prevent Chronic Back Pain : ScienceAlert
https://www.sciencealert.com/study-reveals-how-long-we-need-to-walk-to-prevent-chronic-back-pain

慢性的な腰痛を改善するためのガイドラインでは、一般的に「身体活動を継続すること」が推奨されています。しかし、慢性的な腰痛を予防するために必要な身体活動について、明確な推奨事項はないとのこと。

そこでノルウェー科学技術大学の博士課程に在籍するRayane Haddadj氏らの研究チームは、ノルウェーのトロンデラーグに住む成人を対象にしたトロンデラーグ健康調査のデータを用いて、歩行の時間および強度と慢性腰痛との関連性を分析しました。


分析には、2017年~2019年に行われた第4回トロンデラーグ健康調査に参加した被験者のうち、2021年~2023年の追跡調査に参加しており、痛みに関するデータや有効な加速度計データを提供し、最初の調査時点で慢性腰痛を患っていなかった1万1194人分のデータが用いられました。

被験者らは1週間にわたって右太ももと腰に加速度計を装着し、1日にどれほどの時間、どれくらいの強度で歩いたのかを測定しました。また、腰痛については質問票への回答で評価され、3カ月にわたり腰痛が続いた場合「慢性腰痛」と判断されたとのこと。


分析の結果、1日平均78~100分間歩いた人は、1日78分未満しか歩かなかった人と比較して、慢性腰痛を発症するリスクが13%も低いことがわかりました。さらに、1日の歩行時間が100分を超える被験者は、1日78分未満の被験者よりも慢性腰痛の発症リスクが23%も低かったと報告されています。

歩行の強度も慢性腰痛の発症リスク軽減と関連していましたが、その関連性は歩行時間よりも小さかったとのことです。


研究チームは論文で、「私たちの研究結果は、慢性腰痛のリスクを軽減する上で、1日あたりの歩行量の方が歩行強度よりも重要であることを示しています。これらの結果は、歩行を促進する政策や公衆衛生戦略が、慢性腰痛の発生を軽減するのに役立つ可能性があることを示唆しています」と述べました。

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in サイエンス, Posted by log1h_ik

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