子どもをオンラインで保護するための年齢確認アプリのプロトタイプをEUが発表、フランス・スペイン・イタリア・デンマーク・ギリシャからテスト開始

デジタルサービス法(DSA)に基づき、欧州連合(EU)をターゲットにするソーシャルネットワークやコンテンツ配信サイト等は違法コンテンツに対応する義務や未成年者を保護する義務を負います。特にポルノサイト等では年齢確認が必須とされますが、その年齢確認の方法は確立されていませんでした。新たに、欧州委員会(EC)が、汎用(はんよう)的な年齢確認を可能にするアプリのプロトタイプを発表しました。
Joint press release: Commission presents guidelines and age verification app prototype
https://ec.europa.eu/commission/presscorner/detail/en/ip_25_1820

Commission makes available an age-verification blueprint | Shaping Europe’s digital future
https://digital-strategy.ec.europa.eu/en/news/commission-makes-available-age-verification-blueprint
Commission publishes guidelines on the protection of minors | Shaping Europe’s digital future
https://digital-strategy.ec.europa.eu/en/library/commission-publishes-guidelines-protection-minors
年齢確認アプリは、2026年末までに導入される予定のデジタル身分証明書ウォレット(eID)と同じ技術で構築されるアプリで、ユーザーが18歳以上かどうかを証明するものとなっています。
アプリは個人情報を認証する機関のデータを照合してユーザーの年齢を確認します。オンラインサービスにはユーザーが18歳以上かどうかを証明する情報のみが提供され、他の個人情報は送信されません。

一部のユーザーテストは2025年6月末から既に開始されており、今後はデンマーク、ギリシャ、スペイン、フランス、イタリアの5カ国でまず本格的なテストが始まります。アプリを導入する国は、アプリを政府機関のアプリに統合するか、独立したアプリとして配信するかを選択できます。また、政府機関以外の一般市民がアプリのソリューションを参照して独自のアプリを構築することも可能だとされています。
EUの年齢確認ソリューションは、技術的には、アルコールを購入する際の年齢確認など他の用途にも利用できるとのことです。また、今後はゼロ知識証明を統合し、よりプライバシーの保護に焦点を当てた取り組みが進められると伝えられています。

加えて、ECは未成年の保護に関するガイドラインを策定し、公表しています。ガイドラインでは以下の事項を順守することが推奨されています。
◆依存性のあるデザイン
未成年者は、依存的な行動を刺激するコンテンツに特に脆弱(ぜいじゃく)であるため、未成年者が依存的なコンテンツへ触れる機会を減らし、オンラインサービスの過剰な利用を促進する機能(メッセージの「連続利用」や「既読通知」など)を無効化するよう提案する。
◆オンラインのいじめ
未成年者に、ユーザーをブロックまたはミュートする権限を付与し、本人の明示的な同意なしにグループに追加されないようにすることを推奨する。また、未成年者が投稿したコンテンツのダウンロードを禁止し、そのようなコンテンツでスクリーンショットを撮影できないようにして、性的な内容や個人的な内容の不要な拡散を防ぐよう推奨する。
◆有害なコンテンツ
一部の「おすすめ」アルゴリズムは、子どもを有害な状況にさらす可能性がある。プラットフォームには、ユーザーの明示的なフィードバックを優先し、ユーザーの行動に依存しないようなおすすめの管理を求める。未成年者が特定のコンテンツを見たくないと意思表示した場合、そのコンテンツは再び推奨されるべきではない。
◆見知らぬ人からの不要な連絡
未成年者のアカウントをデフォルトでプライベート設定にし、オンラインで見知らぬ人から連絡を受けるリスクを最小限に抑えるよう推奨する。
これらの施策に基づき、ECは子どもの保護を強化すると伝えました。
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