MetaがAppleのAIモデル責任者の引き抜きに成功、マーク・ザッカーバーグによる競合他社からの人材強奪は続く

マーク・ザッカーバーグCEO率いるMetaは、AI業界の優秀な研究者やエンジニアをまとめた「ザ・リスト」をベースに、競合他社から人材の引き抜きを行っています。新たに、MetaはAppleのAIモデル開発の責任者であるルオミン・パン氏の引き抜きに成功したことが報じられました。

Meta Hires Apple Top AI Models Executive - Bloomberg
https://www.bloomberg.com/news/articles/2025-07-07/apple-loses-its-top-ai-models-executive-to-meta-s-hiring-spree?srnd=phx-technology

Meta reportedly recruits Apple's head of AI models | TechCrunch
https://techcrunch.com/2025/07/07/meta-reportedly-recruits-apples-head-of-ai-models/

Bloombergが関係者から入手した情報によると、Appleで基盤モデルチームの開発を率いてきた著名エンジニアのルオミン・パン氏が同社を退職することが明らかになりました。関係者によると、パン氏はMetaに移籍し、同社が新設するスーパーインテリジェンスラボのメンバーの一員になるとのこと。

Metaのスーパーインテリジェンスラボは、Scale AIのアレクサンダー・ワンCEOをトップとした「スーパーインテリジェンス(超知性)」の追及に特化したAI研究所です。これはMetaによるデータラベリングサービス・Scale AIへの148億ドル(約2兆1600億円)の投資の一環とされています。

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パン氏は2021年にGoogleの親会社であるAlphabetからAppleに移籍した人物です。パン氏はApple社内のAIモデル開発チームを率い、Apple IntelligenceをはじめとするAppleデバイスに搭載されるAI機能のベースとなる基盤モデルの開発を進めてきました。なお、パン氏はAlphabet在籍時にはGoogleのAI音声認識研究部門のチーフを務めていたことが明らかになっています。

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パン氏が開発を主導してきたAppleのAIモデルは、必ずしも大きな成功を収めたとは言えません。テクノロジーメディアのTechCrunchは、「OpenAI、Anthropic、さらにはMetaが提供するAIモデルに比べて、AppleのAIモデルは性能が劣っています」と指摘しました。なお、Appleは2026年にリリース予定のLLM対応Siriのアップグレードに、サードパーティー製のAIモデルを採用することを検討しているとも報じられています。

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Metaはパン氏を引き抜くために年間数千万ドル(数十億円)規模の報酬パッケージを提示したと、Bloombergは報じています。また、Bloombergはパン氏の退職は問題を抱えるAppleのAI開発部門における人材流出の最初の事例になる可能性もある、と報じました。

なお、MetaはAIモデルの開発に関する専門知識を持った研究者やエンジニアの引き抜きを続けており、Safe Superintelligenceのダニエル・グロス氏、GitHubのナット・フリードマン元CEO、OpenAIのユアンジ・リー氏、Anthropicのアントン・バフティン氏などを引き抜いています。

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