セキュリティ

ウェブサイトやアプリに自分の情報を教えずに18歳以上であることを証明できるゼロ知識証明ライブラリをGoogleがオープンソース化


Googleがゼロ知識証明ライブラリ「Longfellow」をオープンソース化しました。開発者はLongfellowを用いることでユーザーの年齢をプライバシーを保護しつつ確認できるようになります。

Now open source: our Zero-Knowledge Proof (ZKP) libraries for age assurance
https://blog.google/technology/safety-security/opening-up-zero-knowledge-proof-technology-to-promote-privacy-in-age-assurance/


世界各国では子どもの安全を保護するための手段としてウェブサイトやアプリの開発者に年齢確認機能の実装を求める動きが活発化しています。例えば、EUでは年齢認証に関する統合的枠組みの制定が進んでいるほか、フランスで15歳未満のSNS利用禁止が提唱されるなど年齢確認の重要性が叫ばれるようになっています。

年齢確認のためにウェブサイトやアプリに身分証明証を提示する場合、年齢以外の情報も知られることになり、プライバシー侵害や情報流出のリスクが生じます。このため、EUでは個人情報を開示せずに年齢だけを証明できる「ゼロ知識証明」と呼ばれる技術を用いた年齢確認手法の推奨規則が2026年に発行される予定です。

Googleが開発したLongfellowはEUなどが求める「ゼロ知識証明技術を用いた年齢確認」を実行可能にするライブラリで、Longfellowを導入したウェブサイトやアプリでは身分証明証などの個人情報を開示することなく自らが制限年齢を超えていることを証明できるようになります。


Longfellowは以下のGitHubリポジトリで公開されており、開発者は自身の開発する製品にゼロ知識証明技術を用いた年齢確認手法を導入することが可能。また、記事作成時点ではLongfellowに対するセキュリティ監査も進められており、監査結果が2025年8月1日に公開される予定です。

GitHub - google/longfellow-zk: Implementation of the Google Zero-Knowledge library for Identity Protocols.
https://github.com/google/longfellow-zk

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in ソフトウェア,   ネットサービス,   セキュリティ, Posted by log1o_hf

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