OpenAIのサム・アルトマンCEO曰く平均的なChatGPTクエリは「小さじ1杯の約15分の1」の水を消費する

by TechCrunch
AIの急速な普及により、世界のデータセンターのエネルギー需要は2026年までに日本の消費電力に匹敵するまでに達すると予測されていますが、エネルギーだけでなく、データセンターの冷却システムに必要な水資源の消費も問題視されています。OpenAIのサム・アルトマンCEOが、ChatGPTのクエリが使用する平均的な水の量は約0.000085ガロン(約0.32ml)だと明かしました。
The Gentle Singularity - Sam Altman
https://blog.samaltman.com/the-gentle-singularity
Sam Altman claims an average ChatGPT query uses ‘roughly one fifteenth of a teaspoon’ of water | The Verge
https://www.theverge.com/news/685045/sam-altman-average-chatgpt-energy-water
アルトマンCEOは、2025年6月11日のブログ投稿で、「私たちは事象の地平線を越えて飛び立ち、人類はデジタル超知能の構築に近づいていますが、少なくとも今のところ予想ほど奇妙なことは起きていません。例えば、まだロボットは街を歩いていませんし、ほとんどの人は1日中AIと話していません。また、まだ人々は病気で命を落としていますし、宇宙には簡単に行けず、そこには私たちがまだ知らないものがたくさん残っています」と述べて、技術的特異点(シンギュラリティ)は突然起きるのではなく、穏やかな変化として到来するだろうと予測しました。
also, here is one part that people not interested in the rest of the post might still be interested in: pic.twitter.com/ANDhHu9g3g
— Sam Altman (@sama) June 10, 2025
その一方で、AIは既に様々な形で世界に貢献しており、科学者たちから「AI導入前と比べて生産性が2~3倍向上した」といった声が上がるなど、特にChatGPTはこれまで生きてきたどの人間よりも強力なものとなりつつあります。
また、ソフトウェアであるAIがロボットなどのハードウェアを作ることができるようになれば、技術の進歩は飛躍的に加速すると考えられています。
このようなAIの自己複製を、アルトマン氏は「AIシステムを稼働させるためのインフラ構築を複利的に進めるフライホイール」と形容し、AIインフラがAIによって構築されるようになるのもそう遠くないと予見しました。

アルトマン氏によると、同氏が「データセンターを建設するデータセンター」と呼ぶような、AIによるAIシステムの構築体制が実現された場合、AIを運営するコストも大きく引き下げられる可能性があるとのこと。
アルトマン氏は「データセンターの運用が自動化されるにつれて、知性のコストは最終的に電気代と同程度に収束するはずです。多くの人が、ChatGPTクエリがどれだけのエネルギーを消費するのかに関心を寄せていますが、平均的なクエリは約0.34ワット毎時で、これはオーブンが1秒強で消費する電力、または高効率電球が数分で消費する電力とほぼ同じです。また、約0.000085ガロンの水も消費します。これは、小さじ1杯の15分の1程度です」と述べました。
なお、IT系ニュースサイトのThe Vergeはこの数字がどのように計算されたかについてOpenAIに問い合わせをしていますが、回答は得られていません。AIがどれだけ水を消費するのかはデータセンターの所在地によりますが、2024年に海外メディアのワシントン・ポストがAI研究者と共同で算出したデータによると、GPT-4を用いたAIチャットボットで生成された100語のメール文にはペットボトル1本強の水が必要とのことです。

AIのランニングコストを低減させ、超知能へのアクセスを広く普及させることは、AIによる深刻なリスクを回避するための最善策のひとつだと、アルトマン氏は考えています。
アルトマン氏は記事の末尾を「メーターで計るには安すぎる知性は、もう手の届くところにあります。こんなことを言うのはクレイジーに聞こえるかもしれませんが、もし2020年当時の私たちが、2025年現在の状況を予言したら、おそらく2030年に関する現在の予想よりクレイジーな話に聞こえるでしょう。超知能によって私たちがスムーズに、指数関数的に、そして無事にスケールアップしていけるようになることを願っています」と締めくくりました。
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in ソフトウェア, Posted by log1l_ks
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