ネットサービス

Pornhubには2020年5月時点で児童レイプなどの問題でフラグが付けられた動画が70万6000本もありほとんどが16回以上フラグが付けられるまで削除されなかったことが内部文書から明らかに


ポルノサイトのPornhubが作成した内部文書から、同サイトは2020年5月の時点で児童レイプなどの問題でフラグが立てられた動画を70万6000本以上抱えていたことが明らかになりました。The New York Timesは「児童レイプの動画で収益を上げるポルノ企業で働く人々の頭の中はどうなっているのか?」と痛烈に批判しています。

Opinion | What People at Pornhub Were Thinking When It Shared Videos of Child Rape - The New York Times
https://www.nytimes.com/2025/05/10/opinion/pornhub-children-documents.html

Pornhubはアラバマ州の女性から民事訴訟を起こされています。訴訟を起こした女性は16歳の頃に性行為を撮影され、少なくとも一度は薬物を使ってレイプされ、その様子をPornhubに投稿されたそうです。


この訴訟の証拠開示手続き中に、Pornhubの内部文書を裁判所が誤って公開してしまいました。Pornhubの作成した内部文書は数千ページにもおよび、そのほとんどが2020年以前に作成されたものです。

内部文書には、Pornhub社員の「この動画をコンピューターに保存していることで問題に巻き込まれなければいいけど」と心配する声や、「非常に明白で不快なCSAM(オンライン児童性的虐待コンテンツ)が大量に含まれています」というCSAMに不快感を示すようなコメントもあった模様。

2020年5月に作成された内部文書には、レイプや児童暴行などの問題行為を描写した動画70万6000本に、ユーザーから「問題のある動画」というフラグが立てられていたことが記されていたそうです。しかし、これらの動画に対してPornhubは少なくとも16回フラグが立てられない限り、動画の削除を検討しなかったことも明らかになっています。


また、内部文書ではPornhubが問題のある動画にフラグを立てる行為を登録ユーザー限定にすることで、問題コンテンツの報告難度を大幅に引き上げたことが指摘されています。とあるPornhub社員は、社内メッセージで「(フラグ立てを登録ユーザー限定にすることで)報告件数が大幅に減少する」と記していました。

他にも、ある従業員が別の従業員に「児童ポルノを見つけてもマネージャーに報告しないように」とアドバイスしています。すると、別の従業員は「この5年間でどれだけ児童ポルノを無視してきたか知りたくないんでしょう?」と返答したそうです。他にも、児童を性的虐待する動画が削除されるまでに6億8400万回再生されていたことも記されています。

Pornhubの幹部が小児性愛者を含む視聴者を出来るだけ多く集めて金儲けすることに執着している様子もうかがえます。ある内部文書では、Pornhubの経営陣が動画の説明文から「幼児」や「子ども」といった言葉を禁止する一方で、「残酷な」「幼稚」「強制」「スナッフ」「不本意な」「未成年」「(薬物などで)酔い潰れた」といった言葉は引き続き許容するよう勧告していたことも明らかになりました。

別の内部メッセージでは、Pornhubが人気コンテンツを失うことなくコンテンツに制限をかけるべく苦慮していた様子がうかがえます。ある幹部は、「若い女の子」「初めてのアナルセックスで泣く」「パパに虐待される」といったフレーズを禁止すべきか議論しており、最終的にこれらの表現は許容できるものと判断されました。

また、Pornhubは「『児童の性的な動画を投稿したことで金銭を稼いだ』という理由でPornhubから追放されるべきではない」とも記していたそうです。


PornhubだけでなくPornhub傘下のRedtube、Tube8、YouPornといったポルノサイトも、自らポルノ動画を作成しているわけではありません。ユーザーが動画を投稿するためのプラットフォームを提供するのみで、ポルノコンテンツを制作しているのはあくまでユーザーです。

The New York Timesは流出した内部文書について、Pornhubに問い合わせしていますが、同社は内部文書や訴訟に関する質問にはコメントできないと言及しています。Pornhubはポリシーを厳格化しており、合意のないコンテンツをサイトから排除するために懸命に取り組んでいることを強調しました。

The New York Timesは「確かにPornhubにおいて、近年大きな改善が見られたことは明らかです。しかし、内部文書はPornhubが行いを改めるまでの間、舞台裏で何をしていたかを明らかにしています。そして、Pornhubの行いは『動画に映っている人々の安全を考慮することなく、市場シェアの獲得に執拗に取り組む』というものです」と記しました。


児童に対する性的虐待などは、加害者に対しては厳しい刑事罰を求めることがありますが、Pornhubのようなコンテンツを拡散するプラットフォームに対する声はまちまちです。Pornhubは資金提供者や検索エンジンの支援を受け、数えきれないほどの少女たちを食い物にしているとThe New York Timesは指摘しました。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
Pornhubがユタ州からのアクセスを全面ブロック - GIGAZINE

世界最大級のポルノサイト・Pornhubの運営企業が買収される - GIGAZINE

「VisaはPornhubによる児童性的虐待コンテンツの収益化を支援したと推測可能」と連邦判事が裁定、Visaは訴訟に直面することに - GIGAZINE

Pornhubの元モデレーターが「ポルノサイトの実態と失敗」について語る - GIGAZINE

PornhubやRedTubeなど人気ポルノサイトを運営する企業の正体とは? - GIGAZINE

in ネットサービス, Posted by logu_ii

You can read the machine translated English article As of May 2020, Pornhub had 706,000 vide….