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Epic Gamesの裁判でAppleが虚偽の証言をしたと裁判所が認定し法廷侮辱罪に当たる可能性が浮上


Epic Gamesが公正な競争を求めてAppleを訴えている件で、Apple側の主張が一部退けられ、Appleがアプリ開発者に課している手数料を撤廃するよう命令が下りました。加えて、Appleが法廷でうそをついたと認定され、法廷侮辱罪に問われる可能性が浮上しました。

gov.uscourts.cand.364265.1508.0_2.pdf
(PDFファイル)https://storage.courtlistener.com/recap/gov.uscourts.cand.364265/gov.uscourts.cand.364265.1508.0_2.pdf

Court finds Apple, executive lied under oath in Epic Games trial
https://www.cnbc.com/2025/04/30/court-finds-apple-executive-lied-under-oath.html

Epic Games claims victory as Apple sanctioned for defying court order over App Store rules - 9to5Mac
https://9to5mac.com/2025/04/30/epic-games-claims-victory-as-apple-sanctioned-for-defying-court-order-over-app-store-rules/

A judge just blew up Apple’s control of the App Store | The Verge
https://www.theverge.com/news/659246/apple-epic-app-store-judge-ruling-control

本件は、Appleがアプリ内決済に課している手数料を回避するため、Epic Gamesが独自の決済方法を用意したことに端を発します。Epic Gamesがこの方法を採ったところ、App Storeを介さない決済を認めていなかったAppleがEpic Gamesのゲーム「フォートナイト」をApp Storeから削除したため、2020年にEpic GamesがAppleを訴えました

原審ではAppleが大半の訴因で勝訴しましたが、アプリ内で外部の決済システムへのリンクを表示することをAppleに認めさせるなど、Epic Games側はいくつかの譲歩を勝ち取りました。ところが、Appleはリンクの表示を認める一方で、App Store外の決済に27%の手数料を支払うよう求めてきたため、Epic Games側は「命令を完全に無視している」と批判しました。


その後も控訴審が続く中、裁判を担当したイヴォンヌ・ゴンザレス・ロジャーズ判事は2025年4月30日に80ページの命令書を発行し、2021年に発令された命令にAppleが故意に違反したと指摘しました。

ロジャーズ判事は、Appleが外部決済に27%の手数料を課した点を問題視し、「本来は一切の手数料がかからないことを想定していた」と述べています。


加えて、Appleが提出した書類と、Appleの財務担当副社長アレックス・ローマン氏の宣誓供述書の内容に食い違いがあることから、Appleが法廷侮辱罪を犯している可能性があるとして、ロジャーズ判事はこの問題を連邦検事局に付託しました。ロジャーズ判事は「真実を隠すために、アレックス・ローマンは宣誓の上で明白なうそをついた」と批判しました。

ロジャーズ判事はまた、Appleが社内の議事録を意図的に隠し、本来共有すべきものを共有しなかったとも指摘しました。いわく、かつてApple側から議事録として提出された資料は、訴訟向けに作られたものだったそうです。本来の資料によると、Appleフェローのフィリップ・シラー氏は命令に従うことを強く望んでいましたが、ティム・クックCEOがその意思を無視したとのこと。ロジャーズ判事は「クックの選択は誤りだった」と記しました。


ロジャーズ判事はEpic Gamesの主張の多くを認め、Appleが実施している以下の点を禁止する判決を下しました。

・外部決済に手数料を課すこと
・外部決済用リンクのスタイル、フォーマット、配置について制限を加えること
・外部決済をわかりやすくする通知やボタンの配置について制限を加えること
・外部決済用リンクにアクセスしようとするユーザーに警告すること

加えて、ロジャーズ判事はEpic Gamesの弁護士費用をAppleに支払うことも命じています。ロジャーズ判事は「これは差し止め命令であり、交渉ではない。当事者が裁判所の命令を故意に無視した場合、やり直しはできない」と記しました。

Epic Gamesのティム・スウィーニーCEOは「これは開発者にとって大きな勝利であり、すべての開発者がAppleの決済サービスと並んで独自の決済サービスを提供できることを意味します。Apple税は終わりです。来週、フォートナイトをアメリカのApp Storeに戻します。また、Appleが手数料免除の枠組みを世界中に拡大すれば、フォートナイトを世界中のApp Storeに戻し、この問題に関連する現在および将来の訴訟を取り下げるという和平案も提出しました」と述べ、勝利宣言を行いました。


この件に関し、Appleは声明を発表していません。

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in モバイル, Posted by log1p_kr

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