独自の5Gモデムチップ「C1」をリリースしたAppleの次のシリコン計画とは?

Appleは2020年にMacのプロセッサをIntel製のものから独自開発の「Appleシリコン」に移行すると発表し、Mac向けのAppleシリコンであるM1を発表しました。この他、AppleはiPhone向けのAシリーズや、Apple Watc向けのSシリーズ、イヤホン向けのHシリーズ、超広帯域無線システム向けのUシリーズなど、さまざまな独自シリコンを開発しており、2025年2月に発売されたiPhone 16eには同社初の5Gモデムチップとなる「C1」が搭載されています。そんなAppleが今後どのようなシリコンを計画しているのかについて、9to5Macがまとめました。
Apple is on a mission to develop more of its silicon in-house: Here's what’s next - 9to5Mac
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2025年2月にAppleがリリースしたiPhone 16eには、同社初の5GモデムチップであるC1が搭載されています。C1は効率性に重点を置いているため、ミリ波をサポートしていません。つまり、iPhone 16シリーズなどに搭載されているQualcomm製モデムチップと比較すると、サポートしている波長が少ないです。それでもC1はかなり高性能であることが明らかになっています。

前述の通り、C1はQualcomm製モデムチップに劣ります。そのため、C1は2025年リリース予定のiPhone 17シリーズでは、超極薄のiPhone 17 Air以外には搭載されない可能性が高いと予想されています。iPhone 17 AirでC1が採用される理由は、超極薄のフォームファクターでは効率性の向上が重要になるためです。なお、AppleはC1について「iPhone史上最も電力効率の高いモデムで、高速で信頼性の高い5Gセルラー通信を実現します」と言及しています。
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AppleはすでにC1に続く新型モデムチップを開発しているといわれており、Apple関連のリーク情報に精通しているBloombergのマーク・ガーマン記者によると、Appleは2世代以内にCシリーズでQualcomm製モデムチップを完全に置き換えることを計画している模様。
Appleが開発中のC2の開発コードネームは「Ganymede」で、2026年にiPhone 18シリーズに搭載され、2027年にはiPadにも搭載されることとなる模様。C1とC2の大きな違いはミリ波をサポートしている点です。ダウンロード速度は6Gbpsに到達し、Sub6使用時には6キャリアアグリゲーション、ミリ波使用時には8キャリアアグリゲーションに対応するとのこと。これにより、Cシリーズは既存のQualcomm製モデムチップと同等の性能となります。
さらに、2027年にはiPhone 19シリーズと共に「C3」が発表される予定です。C3の開発コードネームは「Prometheus」で、このタイミングでCシリーズはQualcomm製モデムチップの性能を上回る予定。なお、C3では次世代衛星ネットワークをサポートすると報じられています。
また、Appleは早ければ2026年にもMacBookにセルラーサポートを導入することを検討しており、これが実現すればC2チップがMacBookに搭載されることとなるはずです。
さらに、AppleはCシリーズだけでなく、Broadcom製のネットワークチップも独自開発のチップに置き換えることを検討している模様。この新しいネットワークチップは早ければ2025年中にも登場予定です。
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ガーマン氏によると、Appleの独自開発ネットワークチップの開発コードネームは「Proxima」で、2025年後半に新型HomePod miniおよび新型Apple TVに搭載される予定です。ProximaはWi-Fi 6Eをサポートし、理論上はWi-Fiルーターとして機能するとのこと。なお、Proximaは2025年中にiPhoneの一部モデル、2026年中にiPadとMacの一部モデルにも導入される模様。
Apple関連のリーク情報でおなじみの業界アナリストのミンチー・クオ氏は、ProximaがiPhone 17 Airだけでなく、iPhone 17シリーズの全ラインナップに搭載されると予想しています。これについて、クオ氏は「Appleデバイス間の接続性が強化されると共に、コストも削減される」と記しました。
なお、Appleはモデムチップの移行が完了したのち、モデム以外のチップと統合することを検討しているとも報じられています。
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in モバイル, Posted by logu_ii
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