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FacebookやInstagramでのニュース投稿が禁止されたカナダでは「報道を装った詐欺コンテンツ」が大量に投稿されている


FacebookやInstagramを運営するMetaは、2023年8月からカナダ国内でのニュース投稿をブロックしています。そんなカナダのFacebookやInstagramでは、ニュースコンテンツに見せかけた詐欺コンテンツが大量に投稿されているそうです。

Meta Blocked News in Canada. Ads for Scams Are Taking Its Place - Bloomberg
https://www.bloomberg.com/news/articles/2025-01-31/meta-blocked-news-in-canada-ads-for-scams-are-taking-its-place

Old News, New Reality: A Year of Meta's News Ban in Canada — Media Ecosystem Observatory
https://meo.ca/work/old-news-new-reality-a-year-of-metas-news-ban-in-canada

カナダでは2023年6月にオンラインコミュニーケーション関連法案「BILL C-18」が成立しました。この法案はMetaやGoogleなどのプラットフォームに対して「ニュースを掲載して得た収益を報道機関に還元する」ことを義務付けるものですが、Metaは法案に反発して2023年8月からFacebookやInstagramへのニュース投稿を禁止しました。

FacebookとInstagramがカナダでのニュース配信を停止、「ニュースを掲載したら収益を分けろ」とする法案に反発 - GIGAZINE


カナダでのニュース投稿禁止は報道機関だけでなく一般ユーザーにも適用されており、ニュースのURLを投稿しようとすると「カナダの法律に従うために、ニュースコンテンツは共有できません」という旨のメッセージが表示されるそうです。また、過去に投稿されたニュースコンテンツも閲覧不可能になっています。例えば、Instagramで報道機関のアカウントを開くとコンテンツが表示されずに「カナダ国内の人々は、このコンテンツを閲覧できません」という通知が表示されます。


経済誌のBloombergによると、カナダではニュースコンテンツの共有が制限される一方で「ニュースコンテンツに見せかけた詐欺コンテンツ」は大量に投稿されているとのこと。詐欺コンテンツは「カナダ銀行がピエール・ポワリエーヴル氏(カナダ保守党の党首)を訴えた」といった虚偽の見出しが付けられていたり、著名人の顔を用いていたりと、ユーザーの興味を引きつける工夫をこらしているそうです。また、これらの詐欺コンテンツに付いているURLをクリックすると、既存のニュースサイトに似た画面が表示され、下方向にスクロールすると投資詐欺へ誘導する文面が表示されます。

メディア研究機関「Media Ecosystem Observatory」が2023年に実施した調査では、カナダ人の55%はニュースを見るためにFacebookを利用しており、37%はニュースを見るためにInstagramを利用していることが分かっています。一方で、Meta製プラットフォームでニュースの共有が禁止されたことを知っているカナダ人は全体の22%にとどまり、Meta製プラットフォームでニュースを収集している人に絞っても49%しか禁止の事実を知らなかったとのこと。Media Ecosystem Observatoryは調査結果を受けて「カナダ人はFacebookやInstagramを用いて政治や時事問題に関する情報を集め続けているが、以前よりも偏見が強くなり、事実に基づかない見識も増えている。多くのカナダ人は変化が起きたことに気付いておらず、情報収集先をMeta製プラットフォーム以外に変更しようとする動きも見られない」と論じています。


なお、カナダではGoogleもニュースコンテンツの掲載を停止していましたが、2023年11月に報道機関に対して年間1億ドル(約156億円)の支援を行うことに同意してニュースコンテンツの掲載を再開しています。

Googleが年間1億ドルを支払ってニュース配信を再開することでカナダ政府と合意 - GIGAZINE

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in ネットサービス, Posted by log1o_hf

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