ビットコインで商品を売買できるブラックマーケット「シルクロード」の創始者であり終身刑を受けた仮想通貨界のカルトヒーロー「ロス・ウルブリヒト」にトランプ大統領が恩赦を与える

by Gage Skidmore

ときには薬物や違法の品を掲載することもあったブラックマーケット「シルクロード」の創設者であり、仮釈放のない終身刑で収監されていたコンピューター科学者、ロス・ウルブリヒトに対し、ドナルド・トランプ大統領が2025年1月21日に恩赦を与えました。

Exclusive | Trump announces pardon for Silk Road founder Ross Ulbricht, vacating life sentence
https://nypost.com/2025/01/21/us-news/trump-expected-to-pardon-silk-road-founder-ross-ulbricht-vacating-life-sentence/

シルクロードはビットコインで商品を売買できるウェブサイトで、Torを通じてのみ利用でき、違法薬物やハッキングされたアカウント情報も販売されるなどいわゆる「ブラックマーケット」として知られたプラットフォームです。

ウルブリヒトは2011年にシルクロードを創設し、その後2013年に逮捕されるまで運営に携わったとされる人物です。逮捕後、ウルブリヒトはマネーロンダリングやハッキングに関与した罪などで起訴され、2015年に2回の終身刑と40年の禁錮刑を言い渡されました。

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2025年時点ではアリゾナ州のツーソン刑務所に収監されていたウルブリヒト氏ですが、2025年1月21日にトランプ大統領より恩赦を与えられたとのことです。

トランプ大統領は、自身が所有するSNS「Truth Social」上で、「ロス・ウィリアム・ウルブリヒトの母親に電話し、彼女と私を強く支持してくれたリバタリアン運動に敬意を表し、彼女の息子であるロスの完全かつ無条件の恩赦に署名したことを伝えたところだ」と報告。「彼を有罪にしたクズどもは、私に対して政府を兵器化した狂人たちと同じだ。彼は2回の終身刑と40年の刑期を与えられた。バカバカしい！」と付け加えました。

ウルブリヒトをめぐっては、麻薬合法化を願う保守系小政党リバタリアン党がこの事件を政府の行き過ぎだと主張し釈放を求めていたほか、リバタリアン党から大統領候補に立候補していたチェイス・オリバー氏が「もし彼が当選したら、ロス・ウルブリヒトの減刑をしてもらいたい」と語ったり、共和党のランド・ポール議員がトランプ大統領に慈悲を示すよう求める書簡を送ったりするなど、一部の保守派から刑の緩和を求める声が上がっていました。トランプ大統領自身も2024年5月にリバタリアン党の全国大会に参加した際、「(大統領選で)投票してくれたらロス・ウルブリヒトを減刑する」と述べており、今回の恩赦は実質的に選挙公約を実現したのと同義です。

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トランプ大統領は、ジョー・バイデン前大統領の在任中に行われた仮想通貨分野に対する規制を大幅に転換し、仮想通貨を全面的に推し進める方向にかじを切っています。実際、シルクロードから押収した仮想通貨を含む政府所有の仮想通貨を政府資金として活用する可能性も示されています。

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