人気のブラウザ拡張機能「PayPal Honey」がインフルエンサーのアフィリエイト収益を盗みユーザーに不利な取引を提示していることが判明

オンラインショッピング向けの人気ブラウザ拡張機能「PayPal Honey」が、宣伝活動を担当したインフルエンサーに支払われるはずのアフィリエイト収益を盗み、ユーザーに不利な取引を提示していることが明らかになりました。

Popular Honey extension caught scamming users and YouTubers - Android Authority
https://www.androidauthority.com/honey-extension-scamming-users-3510942/

「PayPal Honey」は、オンラインショッピングでユーザーに最高のお買い得商品を提示するというブラウザ拡張機能です。PayPal Honeyには1700万人以上の会員がおり、ユーザーは年間平均126ドル(約2万円)の節約を実現していると宣伝しています。Chromeウェブストアで配布されているPayPal Honeyは、5点満点で4.8と非常に高評価。開発しているのは決済サービス・PayPalの子会社です。

Honey: Automatic Coupons & Rewards - Chrome ウェブストア
https://chromewebstore.google.com/detail/honey-automatic-coupons-r/bmnlcjabgnpnenekpadlanbbkooimhnj

PayPal Honeyはオンラインショッピングの前に、インターネット上を分析して適用可能なクーポンコードを探し、可能な限りすべてのクーポンコードを適用します。しかし、調査によりPayPal Honeyには作者とユーザーをだます仕組みが組み込まれていることが明らかになりました。

PayPal Honeyがバックグラウンドでどのように機能するかを調査したのは、内部告発系YouTubeチャンネルのMegaLag。MegaLagによると、PayPal Honeyは長年にわたって多くの有名なYouTuber、ブロガー、その他クリエイターが宣伝してきました。しかし、PayPal Honeyはクリエイターのアフィリエイト収益を盗んでいたことも明らかになっています。

Exposing the Honey Influencer Scam - YouTube

ユーザーがPayPal Honeyを利用して商品を購入する際、クーポンを検索するとPayPal Honeyは既存のアフィリエイト関連Cookieを無断で削除し、独自のCookieを挿入。これにより、PayPalはクリエイターがユーザーを商品に誘導したにもかかわらず、アフェリエイト収益をクリエイターに支払わずに盗むことができるそうです。

さらに、PayPal Honeyはユーザーにも悪影響を及ぼしていたことが明らかになりました。PayPal Honeyはオンライン上で最高のお買い得品を提示することを約束していますが、本当のお買い得品を隠してしまうケースもあるとのことです。オンラインショップを経営する販売者がPayPal Honeyのキャッシュバックプログラムに登録すると、拡張機能によって提示されるクーポンを完全に制御できるようになり、販売者はインターネット上で公開されているよりお得な割引クーポンをユーザーから隠すことができるようになるそうです。

多くのユーザーはPayPal Honeyが正しい結果を提示していると信じ、インターネット上で他のクーポンコードが配布されていないかを検索しようとしません。そのため、「詐欺的な拡張機能によって提供されるマイナーなプロモーションを信じ、他の場所で共有されている最も有利なプロモーションを見逃すことになる」とAndroid Authorityは指摘しました。

・つづき
PayPal傘下のChrome拡張機能「Honey」が不正発覚で400万人のユーザーを失う - GIGAZINE

by Focal Foto